この記事は中小企業のAI導入の始め方の各論です。書き方の考え方は議事録の書き方で扱い、この記事ではそのまま使えるファイルを配ります。
議事録のテンプレート:WordとExcelの2種類を無料で配布
議事録のテンプレートは、文章で残すならWord、宿題を一覧で追うならExcel を使います。議事録の書き方で示した型を、2つの形式にして配布します。登録は不要です。
どちらも、項目は同じです。会議名、日時、場所、出席者、欠席者、議題、作成者・作成日を上に置き、その下に決定事項・宿題・保留・議題ごとの要点・次回を並べています。
この並びは、国の行政機関のガイドラインが審議会などの会議について求める項目(開催日時、開催場所、出席者、議題、発言者と発言内容)をもとに、社内で使う「決定事項」「宿題」「保留」を足したものです(内閣府「行政文書の管理に関するガイドライン」、2026-10-10取得)。
Word議事録フォーマットとExcel議事録フォーマットの違いは?
迷ったら、議事録を誰が読むかと、宿題を誰が追いかけるかで選びます。

| 形式 | 向いている会議 | このテンプレートでの作り |
|---|---|---|
| Word | 取引先との打ち合わせ、社外に送る議事録、印刷して回覧するもの | 上部に項目の表、その下に見出しごとの箇条書きと宿題の表 |
| Excel | 毎週の定例、宿題の進み具合を会議をまたいで追うもの | 「議事録」「宿題」「選択肢」の3シート。宿題は1行1件 |
| Googleドキュメント | カレンダーの予定から、その場で全員が書き込む会議 | 配布はなし。ドキュメントの「会議メモ」機能を使う |
Googleドキュメントには、カレンダーの予定から会議メモを作る機能があります。ドキュメントで「@」を入力して「会議メモ」を選び、予定を選ぶと、会議の詳細が入った状態で始められます(Google ドキュメント エディタ ヘルプ「Google カレンダーの予定に会議メモを追加する」、2026-10-10取得)。全員がGoogle Workspaceを使っている会社なら、こちらで足ります。
Wordの議事録テンプレートを毎回呼び出す方法
ダウンロードしたファイルを毎回コピーして使うと、上書きの事故が起きます。Wordの「テンプレート」として保存すると、毎回まっさらな状態から始められます。
- ダウンロードした .docx を開き、会議名など自社で固定する部分を書き換える
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」で、「ファイルの種類」に「Word テンプレート」を選んで保存する
- 次からは「ファイル」→「新規」→「個人用」から、保存したテンプレートを選ぶ
手順はMicrosoft サポート「テンプレートを作成する」のWindowsの手順に沿っています(2026-10-10取得)。Macでは「ファイル」→「テンプレートとして保存」を使います。
社内の共有フォルダに置く場合も、置くのはテンプレートの1ファイルだけにします。議事録が増えるたびに型が少しずつ変わっていくのを防げます。
Excelの議事録フォーマットで、宿題の漏れを防ぐ方法
Excelのテンプレートは、宿題の管理に強くしてあります。「宿題」シートは1行に1件で、担当・やること・期限・状態・会議日を入れます。

配布ファイルには、次の2つを最初から設定しています。
| 設定 | 何が便利か | 自分で設定する場所 |
|---|---|---|
| ウィンドウ枠の固定 | 下にスクロールしても見出しの行が残る | 「表示」→「ウィンドウ枠の固定」 |
| ドロップダウン(状態) | 「未着手・対応中・完了・保留」から選ぶだけで、表記がそろう | 「データ」→「データの入力規則」で「リスト」を選ぶ |
設定のしかたは、Microsoftの公式ヘルプのとおりです(Microsoft サポート「ウィンドウ枠を固定して行と列をロックする」・「ドロップダウン リストを作成する」、2026-10-10取得)。選択肢を増やしたいときは、「選択肢」シートに行を足し、入力規則の範囲を広げます。
Excelもテンプレートとして保存できます。「ファイル」→「エクスポート」→「ファイルの種類の変更」→「テンプレート」で保存し、次からは「ファイル」→「新規」→「個人用」で開きます(Microsoft サポート「ブックをテンプレートとして保存する」、2026-10-10取得)。
テンプレートを社内に定着させる順番
テンプレートは、配っただけでは使われません。次の順番で社内に広げます。
- 形式を1つに決める:WordかExcelかGoogleドキュメントか、会議の種類ごとに1つだけ決めます
- 最初の3回は同じ人が書く:型の使い方が固まるまで、書く人を変えません
- 会議の冒頭で前回の宿題を読む:宿題の表を画面に出し、状態を更新してから議題に入ります
- 項目は減らさず、足すときは全員で決める:個人が勝手に項目を変えると、検索しにくくなります
議事録のまとめ方そのもの(決定事項・宿題・保留を先に書く理由、読みやすい文の書き方)は議事録の書き方で説明しています。
テンプレートとAIを組み合わせるには?
会議を録音して文字起こしできる環境があれば、テンプレートの項目をそのままAIへの指示に使えます。「次の文字起こしから、決定事項・宿題(担当・やること・期限)・保留を抜き出して、この表の形で出してください」と頼むと、テンプレートの枠に流し込める形で返ってきます。
ただし、取引先の名前や未公開の数字が入った会議を外部のAIに入れるかは、社内のルールで決めておきます。決め方は生成AIガイドラインの作り方で、手順とプロンプトはAI議事録の作り方で紹介しています。
よくある質問
議事録のテンプレートは商用でも使えますか
社内の会議や、取引先に送る議事録に自由に使えます。項目の追加や削除、ロゴの差し替えもしてかまいません。テンプレートそのものを販売したり、配布物として再配布したりすることは控えてください。
Wordの議事録フォーマットで、宿題の表の行を増やすには
表の最後のセルにカーソルを置いてTabキーを押すと、行が1つ増えます。宿題が10件を超える会議が多いなら、宿題だけをExcelのテンプレートで管理し、Wordの議事録からは「宿題は別紙」と書く使い分けもできます。
取締役会の議事録にも、このテンプレートを使えますか
そのままでは足りません。取締役会の議事録は、会社法と会社法施行規則で記載事項と署名、保存期間が決まっています。項目は議事録の書き方の取締役会の節で整理しています。形式に迷うときは、顧問の司法書士や税理士に確かめてください。
議事録づくりにかかる時間を、AIでどれだけ減らせますか
会議の数と、今の書き方で変わります。CoadexのAI活用セルフ診断で「社内の作業・AI活用」を選び、議事録にかけている時間を入れると、AIで減らせる時間の目安が出ます。
出典・参考資料
- 内閣府「行政文書の管理に関するガイドライン」(令和7年2月14日一部改正) https://www8.cao.go.jp/chosei/koubun/hourei/kanri-gl.pdf(2026-10-10取得)
- Microsoft サポート「テンプレートを作成する」 https://support.microsoft.com/ja-jp/word/create-a-template(2026-10-10取得)
- Microsoft サポート「ブックをテンプレートとして保存する」 https://support.microsoft.com/ja-jp/excel/save-a-workbook-as-a-template(2026-10-10取得)
- Microsoft サポート「ウィンドウ枠を固定して行と列をロックする」 https://support.microsoft.com/ja-jp/excel/get-started/freeze-panes-to-lock-rows-and-columns(2026-10-10取得)
- Microsoft サポート「ドロップダウン リストを作成する」 https://support.microsoft.com/ja-jp/excel/get-started/create-a-drop-down-list(2026-10-10取得)
- Google ドキュメント エディタ ヘルプ「Google カレンダーの予定に会議メモを追加する」 https://support.google.com/docs/answer/11324079?hl=ja(2026-10-10取得)



