この記事は中小企業のAI導入の始め方の各論です。集計や報告の表を Excel で作っている社員と、AI を使う範囲を決めたい担当者に向けて書いています。

エクセルで生成AIを無料で使う方法は?3つの選択肢

エクセルで生成AIを無料で使うなら、ChatGPT にファイルを渡して分析するか、Excel に ChatGPT のアドインを入れて無料枠で使います。 Excel に組み込まれた Copilot は、対象の Microsoft 365 の契約が条件です。

方法 無料で使える範囲(公式の表示) 向いている作業
ChatGPT にファイルをアップロード 無料プランでも使える。無料は1日3ファイルまで 集計、傾向の確認、グラフ
ChatGPT for Excel(アドイン) Free と Go は利用量が限られる 表を作る・直す、数式の説明
Excel の Copilot 対象の Microsoft 365 の契約が必要 ブックの編集、ピボットテーブル、数式

ChatGPT の条件は、OpenAI Help Center「Uploading files and audio to ChatGPT」と「ChatGPT for Excel and Google Sheets」で確かめました(どちらも2026-10-20取得)。アップロードの上限は、混雑する時間帯に下がることがあります。

会社で Microsoft 365 Business Basic・Standard・Premium などを契約していれば、職場のアカウントで Microsoft Copilot Chat を追加料金なしで使えます(Microsoft Learn「Microsoft Copilot Chat の管理」、2026-10-20取得)。

ExcelのCopilotでできることと、使う条件は?

Excel の Copilot は、表、グラフ、ピボットテーブル、数式などの Excel の機能を使って、ブックを作ったり直したりします。Excel の右下の Copilot アイコンから開き、編集、計画、チャットの3つのモードがあります(Microsoft サポート「Excel の Copilot の使用を開始する」、2026-10-20取得)。

使うには、次のどれかが必要です(Microsoft サポート「Excel の Copilot に関してよく寄せられる質問」、2026-10-20取得)。

Copilot が表示されない場合は、契約に含まれていないか、組織の設定で使えない可能性があります。ほかにも、計算方法が[自動]でないと編集できない、SharePoint でチェックアウトが必要なサイトのファイルでは Windows・Mac 版が動かない、Strict Open XML 形式は使えず .xlsx で保存する、といった条件があります。自動保存はオンでもオフでも動きます(Microsoft サポート「Copilot in Excel のヒント」、2026-10-20取得)。

ExcelでAIを使う3つの方法。ChatGPTに渡す、アドインを入れる、ExcelのCopilot
無料で始めるならChatGPT、契約があればExcelのCopilotを使います。

COPILOT関数は使える?2026年9月14日で終了した

セルに =COPILOT() と書いて AI の答えを出す COPILOT 関数は、2026年9月14日で使えなくなりました。プレビューとして一部の利用者に提供されていた機能です。関数を使ったブックでは、計算済みの結果は値として残りますが、再計算すると #NAME? エラーになります。Microsoft は、代わりに Copilot ウィンドウを使うよう案内しています(Microsoft サポート「COPILOT 関数」、2026-10-20取得)。

COPILOT 関数を入れたブックが社内にある場合は、再計算する前に、結果を値として貼り付けて残しておきます。検索で上に出る解説記事にも、関数が使える前提のものが残っているため、記事の日付を確かめてください。

ChatGPTでExcelのデータを分析する手順:4つの順番

ChatGPT には XLSX・XLS・CSV・TSV のファイルを渡せます。表計算のファイルは約50MBまでで、行の大きさによって変わります(前出の OpenAI ヘルプ)。

  1. 表を整える。1行目に列名を置き、1行に1件のデータにする。1枚のシートに関係のない表を並べない、途中に空の行や列を入れない、数字を画像で貼らない
  2. ファイルをアップロードし、何を知りたいかと、使う列・期間を書く
  3. 出てきた集計とグラフを見て、条件を変えて続けて頼む
  4. 数字を元のファイルと照らしてから、報告に使う

表の整え方は OpenAI のヘルプが勧める形です。数式が多く複雑なファイルは、上限の大きさより小さくても処理に影響することがあります。ChatGPT は分析で Python のコードを書いて動かすことがあるので、集計の方法も答えに書かせると確かめやすくなります(OpenAI Help Center「Data analysis with ChatGPT」、2026-10-20取得)。

ChatGPTでExcelのデータを分析する手順。表を整える、知りたいことを書く、元の数字と照らす
数字は必ず元のファイルと照らしてから使います。

ChatGPT for Excel を使う場合は、Excel の[ホーム]→[アドイン]で「ChatGPT」を探して追加し、リボンから開いてサインインします。OpenAI は、大事な作業では先にファイルを複製しておくよう勧めています。VBA やマクロには十分に対応していない場合があります。

エクセルで使える生成AIのプロンプト例

[ ]の中を書き換えて使います(Coadexの例文)。ChatGPT にも Excel の Copilot にも使えます。

したいこと プロンプト
月別の集計 [売上]を月別・[担当者]別に集計して、前年同月との差を出して
傾向を見る [商品]ごとの売上の推移を折れ線グラフにして、伸びている商品と落ちている商品を3つずつ挙げて
数式を作る [C列の金額]が[10万円]以上なら「要承認」と表示する数式を作って、どう動くか説明して
数式を読む この数式が何をしているか、Excel に詳しくない人向けに説明して
表を整える 全角と半角がまざった[会社名]の列を、表記をそろえた新しい列にして。元の列は残して

答えに数式が入るときは、作った数式をそのまま使わず、数件のデータで手で計算した結果と合っているか確かめます。プロンプトの書き方はCopilotのプロンプト集で、Word や Teams の例とあわせて紹介しています。

会社のExcelをAIに渡す前の注意点は?

どのプランを契約するかはCopilotとChatGPTの違いで比べています。社内でのルールの決め方は生成AIガイドラインの作り方が参考になります。

よくある質問

個人のMicrosoftアカウントで、ExcelのCopilotは無料で使えますか

Microsoft のヘルプで Excel の Copilot の条件に挙がっているのは、AI クレジット プランが含まれる Microsoft 365 Personal・Family や Microsoft 365 Premium などの契約です。契約のない無料のアカウントは条件に挙がっていません。無料で試すなら、ChatGPT にファイルを渡す方法を使います。

COPILOT関数を使ったブックはどうなりますか

計算済みの結果は値として残りますが、セルを再計算すると #NAME? エラーになります。必要な結果は、値として貼り付けておきます。同じような作業は、Excel の Copilot ウィンドウで頼めます。

ChatGPTの無料プランで、どのくらいの大きさのExcelを扱えますか

表計算のファイルは約50MBまでで、無料プランは1日3ファイルまでです。数式が多いファイルは、大きさが上限より小さくても処理しきれないことがあります。分析に要る列だけを残したファイルを渡すと確実です。

Excelの作業のうち、どれからAIに任せればよいですか

毎月同じ形で作る集計や報告の表から始めると、効果を確かめやすくなります。CoadexのAI活用セルフ診断で「社内の作業・AI活用」を選ぶと、作業時間の入力から、AIで減らせる時間の目安が出ます。

出典・参考資料