この記事は中小企業のAI導入の始め方の各論です。生成AIを仕事に取り入れたいが、種類が多くてどれから使えばよいか分からない経営者と担当者に向けて書いています。

生成AIの種類は?作り出すもので5つに分かれる

生成AIの種類は、作り出すもので分けると、文章(テキスト)、画像・動画、音声、音楽、プログラムコードの5つが中心です。総務省の情報通信白書も、この分け方で利用状況を調べています。

種類 作り出すもの 白書が挙げる例 日本の利用経験率
テキスト生成AI 文章、要約、翻訳 ChatGPT、Gemini 55.0%
画像・動画生成AI 写真やイラスト、動画 Stable Diffusion など 16.3%
音声生成AI 読み上げの声 VOICEVOX など 6.5%
音楽生成AI 曲、BGM Suno AI など 5.8%
プログラムコード生成AI プログラム GitHub Copilot など 7.0%

利用経験率は、2025年度の個人向け調査でそれぞれの種類を「使っている(過去使ったことがある)」と答えた人の割合です(総務省「令和8年版 情報通信白書」第Ⅰ部第1章第1節、2026-10-18取得)。仕事で最初に使うのは、文章を作るテキスト生成AIです。 使われている割合が最も高く、業務の多くが文章のやり取りだからです。

生成AIそのものの意味や、従来のAIとの違いは生成AIとはで説明しています。

生成AIの種類ごとにできることとは

生成AIの主な種類。文章を作るテキスト生成、画像と動画を作る生成、声と音楽を作る生成
仕事の中心は文章です。画像・音声は外に出す前の確認が要ります。
種類 仕事でできること 人が確かめること
テキスト生成AI メールや資料の下書き、議事録の整理、要約、翻訳 事実や数字が正しいか
画像・動画生成AI 資料の挿絵、SNS用の画像、説明動画のたたき台 他人の作品や人物に似ていないか
音声生成AI 動画のナレーション、文章の読み上げ 実在の人の声に似せていないか
音楽生成AI 動画や店内で流すBGM 使うサービスの規約で商用利用できるか
プログラムコード生成AI 表計算の関数、簡単な作業の自動化 動かして結果が正しいか

総務省の教材は、生成AIの主な種類を「テキスト生成」「画像・映像生成」「音声生成」「その他(3Dモデルの作成)」に分けています(総務省「生成AIはじめの一歩」、2026-10-18取得)。音声と音楽をまとめるか分けるかの違いはありますが、作り出すもので分ける考え方は同じです。

動画を作る方法は生成AIで動画を作成する方法、資料を作る方法はパワポを生成AIで作る方法で詳しく紹介しています。

日本ではどの種類の生成AIが使われているか

日本で何らかの生成AIを使ったことがある人は58.8%で、前年度の26.7%から大きく増えました。総務省は、この増加はテキスト生成AIの利用が伸びたためで、それ以外の種類の利用経験率は比較的低いと分析しています。なお、2025年度の調査から15〜19歳が対象に加わっており、20歳以上に限ると52.2%です(総務省「令和8年版 情報通信白書」、2026-10-18取得)。

会社での使い方も、文章が中心です。企業向けの調査では、日本で生成AIを使っている業務は「議事録・メール作成補助」が約7割で最も多く、次いで「営業・販売」が約6割、「社内ヘルプデスク」が約5割でした(総務省「令和8年版 情報通信白書」第Ⅰ部第2章第1節、2026-10-18取得)。議事録の作り方はAI議事録の作り方で説明しています。

生成AIの種類はどう使い分ける?仕事で試す順番

生成AIを仕事で試す順番。文章から始める、社内の資料に広げる、外に出す画像と音声は確認してから
社内で使うものから始め、外に出すものは後にします。

Coadexでは、生成AIの種類を次の順番で試すことを勧めています。

  1. テキスト生成AIから始める:メールの下書きや議事録の整理など、毎週くり返す文章の作業で使います。結果が正しいかを、その場で確かめられます。
  2. 社内の資料に画像を足す:社内向けの説明資料の挿絵など、外に出さないものから画像生成AIを使います。
  3. 外に出す画像・音声・動画は、確認の手順を決めてから:広告やWebサイト、SNSに出すものは、後の節の注意点を確かめる担当者を決めてから使います。

デジタル庁も、行政の業務で使う生成AIのガイドブックを、テキスト生成AIに絞って作っています。理由として、実際の業務でやり取りする情報の多くはテキストであることと、テキスト以外の生成AIの活用は検証段階であることを挙げています(デジタル庁「テキスト生成AI利活用におけるリスクへの対策ガイドブック(α版)」、2026-10-18取得)。

テキスト生成AIの中でも、ChatGPT・Gemini・Claude の違いはChatGPT・Gemini・Claudeの違いで比べています。

マルチモーダルとは:複数の種類をまとめて扱う生成AI

マルチモーダルとは、文章・画像・音声など、複数の形式を1つのAIで扱えることです。総務省の白書は、生成AIは自然な言葉で指示するだけで、テキスト、画像、映像などの多様な形式(マルチモーダル)の出力を得られると説明しています(総務省「令和6年版 情報通信白書」第Ⅰ部第3章第1節、2026-10-18取得)。

たとえば ChatGPT や Gemini は、文章で答えるだけでなく、画像を読み取ったり、画像を作ったりできます。このため「テキスト生成AI」「画像生成AI」はサービスの名前ではなく、作り出すものの種類と考えると整理しやすくなります。1つのサービスで複数の種類を使えるので、最初から種類ごとに別のサービスを契約する必要はありません。

画像・音声・動画の生成AIを使うときの注意点とは

文章以外の生成AIは、他人の権利に触れやすいので、外に出す前に次の点を確かめます。

どの種類でも、顧客の個人情報や社外秘の情報は入力しません。社内ルールの作り方は生成AIガイドラインの作り方で説明しています。

よくある質問

生成AIの種類は全部でいくつありますか

決まった数はありません。作り出すもので分けると、文章・画像と動画・音声・音楽・プログラムコードの5つが中心で、総務省の白書もこの区分で利用状況を調べています。3Dモデルなどを「その他」として分ける資料もあります。

画像生成AIで作った画像は、会社のWebサイトに使えますか

使えますが、既存の作品や実在の人物に似ていないかを確かめてからにします。似ていて、元の作品をもとにしたと認められれば、著作権侵害になり得ます。使うサービスの規約で商用利用が認められているかも確かめます。

テキスト生成AIと画像生成AIは別々に契約が必要ですか

必ずしも必要ありません。ChatGPT や Gemini のように、1つのサービスで文章と画像の両方を扱えるものがあります。まず文章で使い、画像が必要になってから同じサービスで試します。

自社ではどの種類の生成AIから使えばいいですか

多くの会社では、メールや議事録などの文章から始めるのが確実です。CoadexのAI活用セルフ診断で業務と時間を選ぶと、AIで減らせる時間の目安と、最初に試す業務が分かります。

出典・参考資料