この記事は中小企業のAI導入の始め方の各論です。社内で使う生成AIを1つ決めたい会社の、経営者と総務担当者に向けて書いています。
ChatGPT・Gemini・Claudeの比較:会社で選ぶなら、今使っている仕事の道具で決める
ChatGPT・Gemini・Claude は、どれも文章の作成・要約・資料の読み込みといった仕事の基本はこなせます。会社で選ぶときに差が出るのは性能より、入力が学習に使われない法人プランで使えるかと、普段使っているメールや文書の道具とつながるか です。
| 今の会社の環境 | まず検討するもの | 理由 |
|---|---|---|
| Google Workspace(Gmail・ドキュメント)を使っている | Gemini | 契約中のプランに含まれていることがあり、Gmail やドキュメントの中で使える |
| Microsoft 365 を使っている | Microsoft 365 Copilot Chat、次に ChatGPT か Claude | 対象のライセンスに Copilot Chat が含まれる |
| どちらでもない、または両方 | ChatGPT か Claude の法人プラン | どちらも2名から契約でき、学習に使わない初期設定 |
Microsoft は、Copilot Chat が対象の Microsoft 365 ライセンスに含まれ、Microsoft 365 Copilot のライセンスは必要ないと説明しています(Microsoft Learn「Microsoft Copilot Chat の概要」、2026-10-06取得)。
生成AIの比較で、会社が最初に見るべき基準とは

上位の比較記事の多くは、機能や日本語の自然さを並べています。会社で使う場合は、次の3つを先に見ます。
- データの扱い:入力した内容が学習に使われるか、人がレビューするか、いつ消えるか。
- 普段の道具とのつながり:メール・文書・チャットの中で使えるか。別の画面にコピーする手間が減るほど、使われ続けます。
- 管理と人数:管理者が利用者と設定を決められるか。何人から契約できるか。
ChatGPT・Gemini・Claudeの法人プランの料金比較
公式ページに表示されている、会社向けの基本プランの月額です(各社の料金ページ、2026-10-06取得)。料金は改定やキャンペーンで変わるため、契約前に公式ページで確かめてください。
| サービス | 会社向けの基本プラン | 1人あたり月額(年払い) | 1人あたり月額(月払い) | 契約できる人数 |
|---|---|---|---|---|
| ChatGPT | Business | 3,050円 | 3,850円 | 2名から |
| Gemini | Google Workspace Business Starter | 800円(税別) | 950円(税別) | 最大300人(Business の各プラン) |
| Claude | Team(スタンダードシート) | 20ドル | 25ドル | 2〜150名 |
- ChatGPT:OpenAI は企業向けプランを2名から利用できるとしています(OpenAI「ChatGPT 料金」、2026-10-06取得)。税込・税別の表記はありません。
- Gemini:Google Workspace は税別の表示です。Starter で使える Gemini は Gmail とGemini アプリで、ドキュメントや Meet の中でも使うなら Business Standard(年払い月1,600円・税別)です(Google Workspace「料金プラン」、2026-10-06取得)。
- Claude:表示はドルで、「表示価格には該当する税金は含まれていません」と書かれています(Anthropic「プランと料金」、2026-10-06取得)。
それぞれのプランの詳しい違いは、ChatGPTの有料プラン比較とGeminiの有料プランとGoogle Workspaceで整理しています。
入力したデータは学習に使われるか?個人向けと法人向けの違い
3社とも、会社向けのプランでは入力を初期設定で学習に使いません。個人向けのプランは扱いが違います。
| サービス | 個人向けプラン | 会社向けプラン |
|---|---|---|
| ChatGPT | 学習に使われうる。各自が設定でオフにする | Business・Enterprise は初期設定で学習に使わない |
| Gemini | チャットの一部を人のレビュアーが読むことがある | 人によるレビューも、許可のない学習もない |
| Claude | 学習に使うかを利用者が選ぶ | Team・Enterprise は初期設定で学習に使わない |
- ChatGPT:OpenAI は、Business・Enterprise と API について、初期設定ではビジネスデータをモデルの学習に使わないとしています(OpenAI「OpenAI におけるエンタープライズプライバシー」、2026-10-06取得)。
- Gemini:Google は、Workspace のコンテンツは人によってレビューされることも、許可なくドメインの外で生成 AI モデルの学習に使われることもないとしています(Google「Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ」、2026-10-06取得)。個人向けでは、レビューされたチャットは最大3年間保持されると説明しています(Google「Gemini アプリのプライバシー ハブ」、2026-10-06取得)。
- Claude:Anthropic は2025年8月、個人向けの Free・Pro・Max で、会話を学習に使うかを利用者が選ぶ方式に変えました。許可した場合の保存期間は5年、許可しない場合は30日です。この変更は Team・Enterprise などの商用の規約には適用されないと明記しています(Anthropic「Updates to Consumer Terms and Privacy Policy」、2026-10-06取得)。商用製品の入力と出力は、初期設定でモデルの訓練に使わないとしています(Anthropic Privacy Center「私のデータはモデルトレーニングに使用されていますか?」、2026-10-06取得)。
3社とも、評価ボタンなどで明示的にフィードバックを送った会話は例外になりえます。ChatGPT の設定の手順はChatGPTに学習させない設定にまとめています。
ChatGPTとClaudeの比較:どう使い分けるか
ChatGPT と Claude は、どちらも Google Workspace や Microsoft 365 に縛られない選択肢です。公式に説明されている機能で比べると、次のようになります。
| 項目 | ChatGPT | Claude |
|---|---|---|
| 資料をまとめて使う | プロジェクト(チャット・ファイル・指示をまとめる) | プロジェクト(チャット履歴とナレッジを持つワークスペース) |
| 長い資料の読み込み | プランとモデルで異なる | 有料プランで200K以上のトークン(約500ページ以上のテキスト) |
| 社内ツールとの連携 | Business で Google Drive・Slack などと接続 | Team で管理者がコネクターを管理 |
Anthropic は、有料の Claude プランで200K以上のトークン(約500ページ以上のテキスト)を取り込めると説明しています(Anthropic ヘルプセンター「有料のClaudeプランのコンテキストウィンドウはどのくらい大きいですか?」、2026-10-06取得)。分厚い契約書や規程集を読み込ませる用途が多い会社は、Claude を試す価値があります。
どちらが自社の業務に合うかは、機能表では決まりません。次の節の順番で、同じ業務を両方で試して比べます。
生成AIを選ぶ順番は?3つの手順で決める

Coadexが勧める順番です。
- 今の道具と契約を確かめる:Google Workspace や Microsoft 365 の契約に、すでに Gemini や Copilot Chat が含まれていないかを管理画面で確かめます。含まれていれば、まずそれを使います。
- 法人プランを月払いで1か月試す:数人で契約し、個人のアカウントは業務に使わないと決めます。
- 同じ業務で比べる:メールの下書き、議事録、資料の要約など、毎週の作業を1つ決め、同じ頼み方で試して、手直しにかかった時間を比べます。
3では、頼み方をそろえないと比べられません。共通で使える型はプロンプトの書き方にまとめています。
よくある質問
ChatGPTとGeminiとClaude、無料版で比べてもいいですか
触って比べるだけなら無料版で構いませんが、業務の情報は入れません。無料版は個人向けの扱いで、入力が学習やレビューに使われる場合があります。業務の題材で比べるなら、法人プランを月払いで試します。
複数の生成AIを併用してもいいですか
できますが、最初は1つに決める方が管理しやすくなります。会社で使うアカウントと、入力しない情報のルールを、サービスごとに決める必要があるためです。使い方が定着してから、用途を分けて2つ目を検討します。
生成AIの比較で、日本語の性能は気にしなくていいですか
3つとも日本語で仕事の文章を作れます。差が気になる場合は、自社の実際の業務で同じ頼み方をして比べるのが確実です。比較記事の評価より、自社の文章で試した結果を優先します。
自社でどの業務からAIを使えばいいか知りたい
CoadexのAI活用セルフ診断で業務と時間を選ぶと、AIで減らせる時間の目安が出ます。どのサービスを選ぶ前でも、試す業務を決めるのに使えます。
出典・参考資料
- OpenAI「ChatGPT 料金」 https://chatgpt.com/ja-JP/pricing/(2026-10-06取得)
- OpenAI「OpenAI におけるエンタープライズプライバシー」 https://openai.com/ja-JP/enterprise-privacy/(2026-10-06取得)
- Google「Google Workspace 料金プラン」 https://workspace.google.com/intl/ja/pricing(2026-10-06取得)
- Google「Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ」 https://support.google.com/a/answer/15706919?hl=ja(2026-10-06取得)
- Google「Gemini アプリのプライバシー ハブ」 https://support.google.com/gemini/answer/13594961?hl=ja(2026-10-06取得)
- Anthropic「プランと料金」 https://claude.com/ja/pricing(2026-10-06取得)
- Anthropic「Updates to Consumer Terms and Privacy Policy」(2025年8月28日) https://www.anthropic.com/news/updates-to-our-consumer-terms(2026-10-06取得)
- Anthropic Privacy Center「私のデータはモデルトレーニングに使用されていますか?」 https://privacy.claude.com/ja/articles/7996868(2026-10-06取得)
- Anthropic ヘルプセンター「有料のClaudeプランのコンテキストウィンドウはどのくらい大きいですか?」 https://support.claude.com/ja/articles/8606394(2026-10-06取得)
- Microsoft Learn「Microsoft Copilot Chat の概要」 https://learn.microsoft.com/ja-jp/copilot/overview(2026-10-06取得)



