この記事は中小企業のAI導入の始め方の各論です。AIで議事録を作る手順はAI議事録の作り方で扱い、この記事では人が書くときの型を示します。
議事録の書き方は?決まったことを先に、経過はあとに
議事録の書き方の基本は、決定事項・宿題・保留の3つを先頭に書き、議論の経過はそのあとに短くまとめる ことです。読む人が知りたいのは「何が決まり、誰が何をいつまでにやるか」だからです。
国の文書の書き方を示した「公用文作成の考え方」も、結論は早めに示し、続けて理由や詳細を説明するよう勧めています(文化審議会「公用文作成の考え方(建議)」、2026-10-04取得)。議事録も同じで、発言を順番に書き写すより、結論から読める形のほうが見やすくなります。
議事録に書く項目とは:必ず入れる7つ
社内の打ち合わせの議事録に、法律で決まった様式はありません。国の行政機関のガイドラインのQ&Aでも、打ち合わせの記録の様式は自由とされています(内閣府「行政文書の管理に関するガイドラインQ&A」、2026-10-04取得)。
参考になるのは、審議会などの会議について同じガイドラインが定めている項目です。開催日時、開催場所、出席者、議題、発言者と発言内容を記載した記録を作るとしています(内閣府「行政文書の管理に関するガイドライン」、2026-10-04取得)。Coadexでは、これに社内で使う項目を足して、次の7つを必須にしています。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 会議名 | 「営業定例」など、あとで検索できる名前 |
| 日時・場所 | 開始と終了の時刻、会議室かオンラインか |
| 出席者 | 社内・社外を分けて書く。欠席者も書く |
| 議題 | 事前に決めた議題を番号付きで |
| 決定事項 | 決まったことだけ。検討中のものは入れない |
| 宿題 | 誰が・何を・いつまでに |
| 作成者・作成日 | 誰がいつ書いたか |
見やすい議事録の型は?3つに分けて書く
見やすい議事録は、議題ごとの話の流れではなく、結果の種類で分けて書きます。

- 決定事項:会議で決まったこと。「〜とする」「〜で進める」と言い切る形で書きます
- 宿題:次の会議までにやること。担当者と期限がないものは宿題として書きません
- 保留:結論が出ずに持ち越した論点。次回の議題の候補になります
分けておくと、次の会議の冒頭で前回の宿題と保留を確かめるだけで、話が前に進みます。宿題の期限を「来週中」のように書くと、人によって受け取り方が変わります。日付で書きます。
議事録テンプレート:そのまま使える型
次の議事録テンプレートを、社内の共有フォルダに1つだけ置いて使い回します。
# [会議名]議事録
- 日時:YYYY-MM-DD(曜日)HH:MM〜HH:MM
- 場所:[会議室/オンライン]
- 出席者:[社内]/[社外] 欠席:[氏名]
- 作成者:[氏名](YYYY-MM-DD作成)
## 1. 決定事項
-
## 2. 宿題
| 担当 | やること | 期限 |
| --- | --- | --- |
| | | YYYY-MM-DD |
## 3. 保留(次回に持ち越す論点)
-
## 4. 議題ごとの要点
### 議題1:[議題名]
-
## 5. 次回
- 日時:
- 議題の候補:
「4. 議題ごとの要点」は、議題1つにつき3行程度にします。発言をすべて書き写す必要はありません。 誰が何を言ったかを残すのは、意見が分かれた点と、決定の理由になった発言だけで足ります。
議事録を書く順番:会議の前・会議中・会議後
議事録は会議が終わってから書き始めると時間がかかります。会議の前から枠を埋めておくのが近道です。

- 会議の前に枠を作る:テンプレートに会議名・日時・出席者・議題を先に入れておきます
- 会議中は結果だけ書く:決定事項・宿題・保留が出たら、その場で書きます。迷ったら「今のは決定でいいですか」と確かめます
- 会議後に確認して配る:その日のうちに整え、出席者に確認してもらってから配ります
国のガイドラインでも、記録の正確性を確保するため、原則として複数の職員による確認を経るとしています。社外の相手がいる打ち合わせでは、可能な限り相手方に発言部分を確認してもらうよう求めています(内閣府「行政文書の管理に関するガイドライン」、2026-10-04取得)。社内でも、配る前に出席者の1人に読んでもらうだけで、聞き違いはかなり減ります。
読みやすい文の書き方とは:短く、1文に1つ
議事録の文は、話し言葉を書き言葉に直してまとめます。「公用文作成の考え方」の文の書き方から、議事録に使えるものを抜き出すと次のとおりです(文化審議会「公用文作成の考え方(建議)」、2026-10-04取得)。
- 一文を短くする
- 一文の論点は一つにする
- 三つ以上の情報を並べるときは箇条書きにする
- 「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どうした」の語順で書く
あわせて、相づちや言い直しは省き、数字・日付・固有名詞は聞いたとおりに書きます。確認できていない部分は「(要確認)」と付けて残します。ガイドラインのQ&Aも、確認済みの部分と未確認の部分が区別できればよい、としています。
取締役会の議事録は何が違うか?法律で決まった項目
社内の打ち合わせと違い、取締役会と株主総会の議事録は、会社法で作ることと記載事項が決まっています。
| 項目 | 取締役会の議事録 |
|---|---|
| 主な記載事項 | 開催日時・場所、議事の経過の要領とその結果、特別の利害関係がある取締役の氏名、出席した会計参与などの氏名、議長の氏名など(会社法施行規則 第101条) |
| 署名 | 書面で作る場合、出席した取締役と監査役が署名または記名押印する(会社法 第369条) |
| 保存 | 取締役会の日から10年間、本店に備え置く(会社法 第371条) |
株主総会の議事録も、株主総会の日から10年間、本店に備え置くと定められています(会社法 第318条)。出典はe-Gov法令検索「会社法」と「会社法施行規則」です(2026-10-04取得)。登記に使う議事録など、形式に迷うものは顧問の司法書士や税理士に確かめてください。
よくある質問
議事録はいつまでに配ればいいですか
会議の当日か、遅くとも翌営業日に配ります。時間がたつほど記憶があいまいになり、出席者の確認も進みません。会議中に決定事項・宿題・保留を書いておけば、当日中に整えられます。
議事録はです・ます調と、である調のどちらで書きますか
社内で統一されていれば、どちらでも構いません。迷うなら、決定事項は「〜とする」と言い切り、議題ごとの要点は短い文で書くと読みやすくなります。1つの議事録の中で混ぜないことが大切です。
議事録のテンプレートは、Word・Excel・共有ドキュメントのどれがいいですか
社内で全員が開ける形式にします。宿題を表で管理したいならExcelやスプレッドシート、検索しやすさを重視するなら共有ドキュメントが向いています。形式より、テンプレートを1つに決めて全員が同じ型を使うことが大切です。
議事録をAIで作ると、どのくらい時間が減りますか
会議の長さと今の書き方で変わります。CoadexのAI活用セルフ診断で「社内の作業・AI活用」を選び、議事録にかけている時間を入れると、AIで減らせる時間の目安が出ます。手順はAI議事録の作り方で紹介しています。
出典・参考資料
- 文化審議会「公用文作成の考え方(建議)」(令和4年1月7日) https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/93651301_01.pdf(2026-10-04取得)
- 内閣府「行政文書の管理に関するガイドライン」(令和7年2月14日一部改正) https://www8.cao.go.jp/chosei/koubun/hourei/kanri-gl.pdf(2026-10-04取得)
- 内閣府大臣官房公文書管理課「行政文書の管理に関するガイドラインQ&A」(令和6年7月1日改訂) https://www8.cao.go.jp/chosei/koubun/hourei/guidelineqa.pdf(2026-10-04取得)
- e-Gov法令検索「会社法」第318条・第369条・第371条 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086(2026-10-04取得)
- e-Gov法令検索「会社法施行規則」第101条 https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000010012(2026-10-04取得)



