この記事は中小企業のAI導入の始め方の各論です。議事録全体の型は議事録の書き方で扱い、この記事では会議中のメモに絞ります。

議事録のメモが追いつかないときは?結果の3つだけ書く

議事録のメモが追いつかないときは、発言を書き写すのをやめ、決定事項・宿題・保留の3つだけをその場で書きます。 議論の経過は、会議のあとに文字起こしや記憶から補えば足ります。

話す速さに手書きやタイピングで追いつくのは、慣れた人でも難しいことです。追いつけないのは書く量の問題で、書く速さの問題ではありません。書く対象を絞り、残りは録音や文字起こしに任せる分担にすると、メモ役も会議に参加できます。

メモが追いつかない理由は?書く量が多すぎるから

追いつかない原因は、たいてい次の3つです。直し方は原因ごとに違います。

原因 起きていること 直し方
全部書こうとする 相づちや言い直しまで書き、決まったことを聞き逃す 書くのは決定事項・宿題・保留だけにする
その場で整えようとする きれいな文に直しながら書き、次の発言に遅れる 会議中は単語と記号で書き、文にするのは会議後
準備がない 会議名・出席者・議題を会議中に書き始める 枠と議題を会議の前に入れておく

3つ目は見落とされがちです。出席者の名前や議題の言葉を会議中に書くだけで、最初の数分を使ってしまいます。

議事録のメモの取り方は?会議の前・中・後の5つのコツ

Coadexでは、メモ役に次の5つを守ってもらっています。

メモの取り方の順番。会議の前に枠を作る、会議中は結果だけ書く、会議後に文に直す
会議中に文を整えようとしないことが、追いつくための一番の近道です。
  1. 会議の前に枠を作る:会議名・日時・出席者・議題を、テンプレートに先に入れておきます。テンプレートは議事録のテンプレートからダウンロードできます
  2. 議題ごとに区切る:議題の番号を先に書いておき、話がどの議題かだけ分かるようにします
  3. 結果が出たら書く:決定事項・宿題・保留が出た瞬間だけ書きます。宿題は「誰が・何を・いつまでに」の3つを必ず聞きます
  4. 聞き逃したらその場で確かめる:「今のは決定でいいですか」「期限はいつですか」と聞きます。あとで確かめるより早く済みます
  5. 会議後すぐ文に直す:記憶が残っているうちに、単語のメモを文に直します。当日中に整えるのが目安です

4つ目は、メモ役の遠慮で抜けやすい部分です。会議の最後の1分で、決定事項と宿題を読み上げて確かめる時間を、司会と取り決めておくと確実です。

メモを速くする略記とは:記号を社内で決めておく

会議中は文を書かず、記号と単語で書きます。記号は人ごとにばらばらだと、あとで他の人が読めません。社内で次のように決めておきます。

記号 意味 書き方の例
◎ 決定事項 ◎ 新サイトの公開は11月
→ 宿題(担当と期限) → 担当A:見積もり 10/20
? 保留・未確認 ? 予算の上限は次回
※ 決定の理由になった発言 ※ 繁忙期を避けるため

例の氏名や日付は書き方の見本です。記号を決めておくと、会議後に◎と→だけを拾えば、決定事項と宿題の欄がそのまま埋まります。

文字起こしとAIメモの使いどころは?Meet・Teams・Zoomの標準機能

経過の記録は、会議ツールの文字起こしやAIの要約に任せられます。主な3つのツールの機能は次のとおりです(各社の公式ヘルプ、2026-10-14取得)。

ツール 機能 使える条件・開始できる人 保存先
Google Meet 文字起こし Business Standard 以上などの対象エディション。日本語に対応 主催者のGoogleドライブの「Google Meet」フォルダ
Google Meet 自動メモ生成(Gemini) 対象のWorkspaceエディションかGoogle AIプラン 同上。カレンダーの予定にも添付
Microsoft Teams トランスクリプト 会議を記録すると自動で開始。文字起こしだけの開始もできる 開催者のOneDrive for Business
Zoom AIによる会議の要約 Proなどの有料ライセンス。開始・停止は主催者と共同主催者 メールで届く

出典はGoogle Meet ヘルプ「文字起こしを使用する」、「自動メモ生成」、Microsoft サポート「Teams 会議でライブ トランスクリプトを開始、停止、ダウンロードする」、Zoom サポート「Using Meeting Summary with AI」です。

使い分けは、人とAIで役割を分けるのが基本です。

人とAIの分担。経過の記録はAI、結果のメモは人、最後の確認は人
AIの要約は下書きとして使い、決定事項と宿題は人のメモと照らし合わせます。

録音した音声をあとからAIで整える方法はAI議事録の作り方、ツール別の手順はTeams Copilotで議事録を作る方法とNotebookLMで議事録を作る方法で紹介しています。

AIにメモを任せるときの注意点は?通知・個人情報・確認

便利な反面、任せる前に確かめておくことが3つあります。

社内で使ってよいツールと入力してよい情報は、生成AIガイドラインの作り方のように先に決めておくと、メモ役が迷いません。

よくある質問

メモが追いつかないとき、録音だけしておけば大丈夫ですか

録音だけでは足りません。会議後に録音を聞き直すと、会議と同じ時間がかかります。決定事項・宿題・保留だけは会議中に書き、録音や文字起こしは経過の確認に使うと、会議後の作業が短く済みます。

メモ役は会議で発言しなくてもいいですか

発言して構いません。結果の3つだけを書く取り方にすれば、メモ役も議論に加われます。自分が話している間は、終わったあとに決定事項として残すべきことがあったかだけ確かめます。

議事録の文字起こしは、どのツールが一番正確ですか

公式に比べられる数字はありません。会社で使っている会議ツールの標準機能から試すのが近道です。正確さはマイクと話し方の影響が大きいため、どのツールでも固有名詞と数字は人が確かめます。

議事録のメモにかかる時間を減らしたいときは、何から始めればいいですか

まず今の会議と議事録に何分かけているかを測ります。CoadexのAI活用セルフ診断で「社内の作業・AI活用」を選び、議事録にかけている時間を入れると、AIで減らせる時間の目安が出ます。

出典・参考資料