この記事はホームページから問い合わせが来ない原因と、直す順番の各論です。業種を問わない会社サイトの基本構成は、会社ホームページに必要なページと作る順番で整理しています。

歯科ホームページ制作は「広告のルール」と「予約前に知りたいこと」の両方で決まる

歯科ホームページ制作では、患者が予約の前に知りたいことを、医療広告ガイドラインの範囲で載せます。歯科医院のホームページは、2018年6月1日に施行された改正医療法から、チラシや看板と同じ広告規制の対象です(厚生労働省「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」、2026-10-07取得)。

デザインより先に、載せてよい内容と書き方を決めます。 一般の会社サイトなら使える「地域No.1」「痛くない治療」といった言葉が、歯科では使えないからです。

なお、ガイドラインは2026年3月30日の改正で、略称が「医療広告等ガイドライン」になりました(厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」、2026-10-07取得)。この記事では「医療広告ガイドライン」と呼びます。

歯科のホームページはなぜ医療広告ガイドラインの対象なのか

次の3つを満たす表示は、広告として扱われるからです。ガイドラインは広告の要件を次のように定めています。

  1. 患者の受診を誘う意図がある(誘引性)
  2. 医院の名前などが特定できる(特定性)
  3. 医業・歯科医業や医院に関する内容である

医院のホームページは、この3つを満たします。そのうえで、ホームページのように患者が自分で探して読む媒体は、条件を満たせば広告できる範囲を広げられます。これを「限定解除」と呼び、自由診療のページを作るときの土台になります(後の節で扱います)。

歯科ホームページに載せる内容は?ページごとの一覧

歯科ホームページで患者が予約前に知りたいこと。通えるか、何をしてくれるか、費用と回数
この3つに答えるページから作ります。
ページ 載せる内容 注意点
トップ 診療時間、休診日、アクセス、予約の方法 スマートフォンで最初の画面に診療時間と電話番号を出す
診療案内 診療科名、保険診療で行う治療 診療科名は「歯科」「小児歯科」「矯正歯科」「歯科口腔外科」など法令で認められた名前だけ
院長・医師紹介 略歴(出身校、免許取得日、勤務した医療機関など)、あいさつ文 略歴に研修を受けたことは原則として書けない
自由診療 インプラント、矯正、ホワイトニングなどの内容・費用・期間・回数・リスク 次の節の4項目をそろえる
院内・設備 院内の写真、設備 「最新」は事実として根拠を示せる場合だけ
よくある質問・問い合わせ 予約の変更、支払い方法、問い合わせ先 予約専用の電話番号だけにしない

診療科名と略歴の扱いはガイドライン、あいさつ文の扱いは Q&A(Q1-6)で確かめられます。患者の質問をよくある質問のページにまとめる方法は、「よくある質問」ページの作り方で紹介しています。

歯科の広告で使えない表現とは?線引きの一覧

ガイドラインと Q&A から、歯科のホームページで迷いやすい表現を抜き出しました。

表現 扱い 根拠
「日本一」「No.1」「最高」 使えない(事実でも比較優良広告になる) ガイドライン
「最先端」「最適」 使えない(誇大広告) Q&A Q2-2
「最新の治療法」「最新の機器」 事実で、根拠を示せる場合は使える Q&A Q2-1
「痛くない治療」 使えない Q&A Q3-22
「歯を削らない治療」 削らずに適正な医療ができる範囲なら使える Q&A Q3-22
「審美歯科」「インプラント科」 診療科名としては使えない ガイドライン
患者の体験談・感想 自院のサイトには載せられない ガイドライン、Q&A Q2-9
治療の前後の写真 治療内容・費用・リスクなどの詳しい説明を添えた場合だけ ガイドライン
「今なら○円」など費用を強調 品位を損ねる広告として使えない ガイドライン

前後の写真は、説明をリンク先に置いたり、極端に小さい文字で書いたりすると、説明を添えたことになりません。インプラントの写真で、説明が足りない例と直した例は、厚生労働省の事例解説書に載っています(厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」、2026-10-07取得)。

自由診療のページは何を書けばいいか:4つの項目

インプラント、矯正、ホワイトニングなどの自由診療は、限定解除の要件をすべて満たして書きます。ガイドラインが求めるのは次の4つです。

自由診療のページに書くこと。内容と期間・回数、費用、リスク・副作用
問い合わせ先も、照会できる形で必ず載せます。
  1. 患者が自分で求めて読むページであること:ホームページは当たります。バナー広告や検索連動型の広告は当たりません。
  2. 問い合わせ先:内容を照会できる連絡先を載せます。Q&A(Q6-10)は、予約専用と書かれた電話番号だけでは要件を満たさないとしています。
  3. 通常必要な治療の内容・標準的な費用・治療期間と回数:費用がはっきりしないときは、最低額から最高額までの幅で示します。
  4. 主なリスク・副作用:説明が簡単すぎると要件を満たしません(Q&A Q6-12)。

あわせて、公的医療保険が使えないこと(「自由診療」「全額自己負担」など)と標準的な費用を書きます。ホワイトニングは、承認を受けた医薬品を使い、自由診療である旨と標準的な費用を書けば広告できます(Q&A Q3-18)。

この4項目は、患者が予約の前に知りたい「いくらで、何回通い、どんなリスクがあるか」とそのまま重なります。ルールを守ることが、問い合わせ前の不安を減らすことにもなります。

歯科ホームページ制作を頼む前に、何を決めておくべきか

制作会社に頼む前に、次の3つを決めておきます。

  1. いちばん増やしたい予約:新しい患者の予約か、自由診療の相談か。トップページの導線がここで決まります。
  2. 原稿を確かめる人:表現の最終確認は院長が行います。制作会社の原稿をそのまま公開しません。
  3. 公開後に直す担当:料金や診療時間が変わったとき、誰がいつ直すか。

違反した場合、行政は広告の中止や内容の是正を求め、報告命令、中止命令・是正命令へと進みます。ガイドラインには、命令に従わない場合の罰則として「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金」と書かれています。Q&A(Q5-2)は、広告代理店などの広告を作った側も是正命令や罰則の対象になりうるとしています。依頼先を比べるときは、医療広告ガイドラインに沿って原稿を確かめる工程があるかを聞きます。比べ方の全体はホームページ制作会社の選び方に、費用の内訳はホームページ作成の費用相場と内訳にまとめました。

よくある質問

Googleマップの口コミは、医療広告ガイドラインに違反しますか

医院が費用を払うなどして書かせたものでなければ、第三者の口コミサイトや個人のSNSは広告に当たらないとされています(Q&A Q2-11)。ただし、その口コミを自院のホームページに転載すると、体験談として載せられません。Googleビジネスプロフィールの整え方はMEO対策とはで紹介しています。

院長の紹介に、専門医や学会の会員であることを書けますか

略歴には専門医・認定医の資格は含まれません。広告できる歯科の専門医は、日本歯科専門医機構が認定する領域に限られます。学会の役員であることは現任なら書けますが、単に会員であることは原則として書けません(Q&A Q3-15)。

医療広告ガイドラインに合っているか、どこで確かめられますか

判断に迷う表現は、都道府県や市区が設けている医療広告の相談窓口で確かめます。窓口の一覧は、厚生労働省の「医療法における病院等の広告規制について」のページに載っています(厚生労働省、2026-10-07取得)。

歯科医院のホームページ制作を相談できますか

ページの構成、自由診療ページの項目立て、検索とAIに見つけてもらう設計からご相談を受けます。原稿の最終的な確認は院長と医療広告の相談窓口で行っていただく前提で、ガイドラインの表と照らし合わせながら進めます。お問い合わせからご連絡ください。設計の考え方はSEO・AIO対策のサービスで紹介しています。

出典・参考資料