この記事はホームページから問い合わせが来ない原因と、直す順番の各論です。費用の相場と内訳はホームページ作成の費用相場と内訳で扱っています。この記事は税務の考え方を整理するもので、自社の処理は顧問の税理士に確かめてください。

ホームページ作成費用の勘定科目は?原則は経費、プログラム部分は資産

ホームページ作成費用は、原則として支出した年の経費として扱います。勘定科目は「広告宣伝費」などを使います。国税庁がかつて示したQ&Aでも、問いの中で「広告宣伝費等として一時の損金」という言い方がされていました。

ただし、制作費の中にプログラムの作成費用が含まれる場合、その部分は「ソフトウエア」(無形固定資産)として、5年で償却します。経費か資産かを分けるのは、金額ではなく「何に払ったか」です。

費用の中身 扱い 勘定科目の例
デザイン・原稿・写真など、PRのための制作 原則、支出した年の経費 広告宣伝費
プログラムの作成費用に当たる部分 ソフトウエアとして5年で償却 ソフトウエア
ドメイン・サーバー・保守の毎月の費用 支払った期間の経費 通信費・支払手数料など

勘定科目の名前は税法で決まっているものではなく、会社ごとに決めて続けて使います。

国税庁は、ホームページの制作費用をどう説明しているのか

国税庁は、かつてタックスアンサー(No.5461)のQ&A「ホームページの制作費用について」で、次のように説明していました(国税庁 No.5461 Q&A(2015年時点の保存版)、2026-10-02取得)。

  1. ホームページは企業や新製品のPRのために作られ、内容が頻繁に更新されるため、制作費用の効果は1年以上に及ばないと考えられる。そのため、原則として支出時の損金とするのが相当。
  2. ただし、内容が更新されないまま1年を超えて使う場合は、使用期間に応じて償却する。
  3. 制作費用の中にプログラムの作成費用(ソフトウエアの開発費用)が含まれる場合、その部分は無形減価償却資産(ソフトウエア)として耐用年数5年で償却する。

このQ&Aは、現在の国税庁のサイトには掲載されていません。今の国税庁のサイトに、ホームページの制作費用だけを扱ったページはありません。考え方の目安として使い、自社の判断は税理士に確かめます。

「プログラムの作成費用」はどこまでか

国税庁の説明は「プログラムの作成費用が含まれるようなホームページ」という言い方で、どの機能がプログラムに当たるかの一覧はありません。問い合わせフォーム、予約、会員の管理、ネットショップの決済など、画面の表示を超えて動く仕組みを作る費用は、ソフトウエアに当たるかどうかを税理士と確かめる対象になります。

資産になる部分の扱いは?耐用年数と少額の特例

ソフトウエアとして扱う部分は、自社で使うものの耐用年数が5年です(国税庁 No.5461「ソフトウエアの取得価額と耐用年数」、2026-10-02取得)。

金額が小さい場合は、次の扱いを選べます。

取得価額 扱い 根拠
10万円未満 全額をその年の経費にできる 国税庁 No.5403
20万円未満 一括償却資産として3年で均等に償却できる 同上
40万円未満(中小企業者等の特例) 年300万円までの合計額を、その年の経費にできる 国税庁「令和8年度 法人税関係法令の改正の概要」

中小企業者等の特例は、令和8年度の税制改正で、令和8年4月1日以後に取得したものから対象が30万円未満から40万円未満に引き上げられ、適用期限が3年延長されました。同じ日以後は、常時使用する従業員数が400人を超える法人は対象外です(国税庁、2026-10-02取得)。個人事業主の青色申告者も、令和11年3月31日までに取得した10万円以上40万円未満のものに同じ趣旨の特例があります(国税庁 No.2100「減価償却のあらまし」、2026-10-02取得)。

特例は青色申告であることなどの要件があります。使えるかどうかは税理士に確かめます。

毎月かかるドメイン・サーバー・保守の費用はどう扱うか

ドメイン、サーバー、保守契約のように毎月や毎年払う費用は、提供を受ける期間の経費として扱うのが基本です。勘定科目は、通信費や支払手数料などから会社で決めて続けて使います。

1年分をまとめて前払いする場合は、短期前払費用の扱いが関係します。国税庁は、支払った日から1年以内に提供を受ける役務の前払費用を、継続して支払った年度の損金にしているときは、支払った時点で損金にできるとしています(国税庁 No.5380「短期前払費用として損金算入ができる場合」、2026-10-02取得)。

見積もりの段階で、制作会社に頼んでおくことは?

経費と資産を分けるには、見積書と請求書の内訳が必要です。制作会社に依頼する段階で、次のように分けて書いてもらいます。

ホームページ作成費用の分け方。PRのための制作、プログラムの作成、毎月の費用
見積書の段階で、この3つに分けて書いてもらいます。
  1. PRのための制作:構成設計、デザイン、原稿、写真
  2. プログラムの作成:問い合わせフォーム、予約、会員、決済などの仕組み
  3. 毎月の費用:ドメイン、サーバー、保守

「ホームページ制作一式」とだけ書かれた請求書では、あとから分けることが難しくなります。見積もりの取り方はホームページ作成依頼の流れで整理しています。

税理士に確かめることは何か

自社の処理を決める前に、次の4つを税理士に確かめます。

ホームページ作成費用で税理士に確かめる主な3つのこと。区分、特例、前払い
内訳の分かる見積書を持って相談します。

よくある質問

ホームページ作成費用は、全額をその年の経費にできますか

PRのための制作費は、原則としてその年の経費にする考え方が国税庁から示されていました。ただし、プログラムの作成費用に当たる部分はソフトウエアとして5年で償却します。どこまでがプログラムかは、税理士に確かめます。

ホームページの勘定科目は、広告宣伝費でいいですか

PRのための制作費なら、広告宣伝費などの科目を使います。勘定科目の名前は税法で決まっていないため、会社ごとに決めて、毎年同じ科目を続けて使います。

リニューアルの費用も同じ扱いですか

考え方は同じで、PRのための制作か、プログラムの作成かで分けます。リニューアルの進め方はホームページリニューアルの進め方にまとめています。

見積書の内訳を分けて作ってもらえますか

ホームページの制作を検討中で、内訳の分け方も含めて相談したい場合は、お問い合わせからご連絡ください。税務の判断は、顧問の税理士にご確認ください。

出典・参考資料